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本と映画と政治の批評
by thessalonike4

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8・15小泉靖国参拝と総裁選の政治 - 緊張の夏、裏切りの夏
8・15小泉靖国参拝と総裁選の政治 - 緊張の夏、裏切りの夏_b0087409_14372764.jpg小泉首相が8月15日に靖国神社に参拝するのは確実な情勢にある。今年の夏は本格的な靖国政局になるだろう。そして靖国政局の前と後で靖国をめぐる世論は大きく転換するに違いない。自民党の中には片山虎之助のように靖国参拝を総裁選の争点にするべきでないと主張する者もいて、また安倍晋三自身も靖国は争点にしないと回避の姿勢を見せているが、私の予想ではそうはならず、靖国問題が中心的な争点になり、そして参拝賛成派の候補者が反対派の候補者を圧倒する形で決着がつくのではないか。終戦記念日に総理大臣が靖国神社に参拝することが総裁選を通じてオーソライズされる事態になる予感がする。7月から8月にかけて喧喧諤諤の議論がマスコミでなされ、そして小泉首相がファナティックな反中反韓プロパガンダを叫び、靖国参拝を公認化する候補を次期総裁に推すよう世論誘導するだろう。昨年の郵政民営化と衆院選と同じ図式で靖国参拝と総裁選の政治構図が出来上がる。



8・15小泉靖国参拝と総裁選の政治 - 緊張の夏、裏切りの夏_b0087409_14423370.jpg私が何を予感しているかと言うと、マスコミ人たちの裏切りである。この夏もマスコミ言論人の裏切りに遭遇しそうな気配がする。昨年は数多く見た。総理大臣の靖国参拝支持に舵を切るのは、恐らく岸井成格と田原総一朗の二人だろう。どういう理屈を捏ねるか分からないが、国のために戦争で犠牲になった者を追悼する施設に国の指導者が拝礼するのは当然だという主張を前面に出して、例えば福島瑞穂あたりの参拝反対論に猛然と噛みついて異端演出する場面をテレビで見せるのではないか。一年前の毎日新聞の世論調査では、小泉首相の靖国参拝について賛成が41%で反対が50%だった。この数字を逆転させるのではないか。そういう政治が仕組まれつつあるような気がする。あと二人ほど名前を挙げるとすれば、 嶌信彦と高野孟、このあたりがエッと驚く靖国参拝賛成論を言い出すのではないか。嶌信彦が郵政民営化を強硬に主張したときは驚いたし、高野孟の九条改正論にも唖然とさせられた。

8・15小泉靖国参拝と総裁選の政治 - 緊張の夏、裏切りの夏_b0087409_143753100.jpg安倍政権は長い。小泉政権と同じく長期政権になる。マスコミで働く者たちは、安倍政権の下でテレビの定職を失わないよう思想的位置を配慮しなくてはならない。安倍政権が許容する「常識」の範囲で視聴者に発言しなくてはならない。それは従来の常識とは相当に異なる。テレビで嶌信彦や加藤千洋が提示する言論がすなわち日本の国民的常識である。そして安倍晋三を政権から除去するのは簡単ではないが、嶌信彦や加藤千洋の代替は幾らでもいるのだ。テレビのレギュラーの指定席に座りたい人間は腐るほどいて、安倍晋三と電通が報道局長に電話を一本入れれば簡単に首は挿げ替えられる。テレビの仕事と報酬を失いたくなければ、詭弁と詐術で立ち位置をズラして安倍晋三に媚を売るしかない。自分を騙して観念を切り替えるのは簡単なことだ。毎年やっていることで、それで彼らはメシを食い繋いでいるのだ。昨年の夏は郵政民営化で大量転向を見たが、今年は靖国で同じグロテスクを見ることになる。

8・15小泉靖国参拝と総裁選の政治 - 緊張の夏、裏切りの夏_b0087409_1438439.jpg小泉首相が靖国参拝の意思を毅然として持ち、靖国参拝に毅然と反対する論者はマスコミにはおらず、せいぜい社民党と共産党の議員が何か言う程度で、民主党の議員は口をモゴモゴさせる程度で、その状況で小泉首相が8月15日に参拝を敢行したらどうなるか。テレビで正面から批判できる人間はいないだろう。福田康夫は靖国参拝を争点にして総裁選を戦うと言っているらしいが、果たして支持が集まるのか。逆になる公算が高いのではないか。私の読みでは、政権と右翼はあらゆる策謀を考えている。中国国内で何かが起こる可能性もある。中国政府は国民の暴走の制止に必死だろうが、かと言って日本の総理大臣の815靖国参拝を認めるわけには絶対にいかない。猛然と抗議する。反日デモの再来がある。デモ隊が暴徒化する危険性もある。中国の国民感情は爆発寸前だろう。昨年は大使館と領事館と日本料理店への投石だけだったが、そこに日本の右翼の工作員が紛れ込んだらどうなるか。

8・15小泉靖国参拝と総裁選の政治 - 緊張の夏、裏切りの夏_b0087409_14381481.jpg日本人に対する暴行とか、日本人住居に対する放火とか、そういう事件が起きなければよいが、映画「スパイ・ゾルゲ」でも出ていたが、上海事変の際の日蓮宗僧侶殺害事件のような謀略の過去もある。そのような変事が仮に発生した場合、日本国内における靖国参拝支持率は一気にハネ上がり、それはそのまま安倍晋三への支持率に直結し、中国に対して軍事対決路線を求める世論が盛り上がる情勢になるだろう。日中友好で自民党との対決路線を演出している民主党はすぐに腰折れするに違いない。死に体になっている対中強硬派の前原誠司が息を吹き返す。福田康夫は完敗するか、あるいは総裁選離脱を余儀なくされる。選挙は安倍晋三の圧勝で終わり、安倍晋三の政治体制が固まる。それは毎年の終戦記念日に総理大臣が靖国神社に公式参拝する政治体制であり、それを何の逡巡も痛痒もなくマスコミが報道する政治体制だ。現在は憲法判断を避けている最高裁も躊躇なく合憲判決を出すようになるだろう。

昨年の夏、郵政民営化と衆院選で日本の政治が大きく変わった。今年の夏、靖国参拝と総裁選で日本の政治がさらに大きく変わる。レジームチェンジする。そして来年の夏、憲法改正と参院選で日本の政治はレジームチェンジを形式のレベルで確定させる。戦後体制が終わる。夏が日本の政治を変える。

8・15小泉靖国参拝と総裁選の政治 - 緊張の夏、裏切りの夏_b0087409_14382658.jpg

by thessalonike4 | 2006-07-03 23:30 | 戦争 ・ 昭和天皇 ・ 靖国問題
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