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by thessalonike4
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謀略の解読 - 金正日をミサイル発射に導いたのは黄長嘩の仕掛
b0087409_22522657.jpgミサイル発射事件について北朝鮮の政情や背景がテレビで解説されている。画面に出てくるのは北朝鮮オールスターズの面々で、鬱陶しい顔だが、見慣れて何も感じなくなった顔でもある。四年前はかなり激しい抗原抗体反応があったが、私の中でも免疫ができて、彼らの話に昔のような憤激を感じることが少なくなった。伊豆見元は番組のキャスターに事件の解説を求められるたびに、「分かりませんね」と無愛想な返事を繰り返している。これでは報道番組のコンテンツが埋まらず、解説者として職務怠慢で、視聴者もストレスが溜まってしまう。伊豆見元は表情に性格の傲慢さが透けて見え、静岡県立大学では結構な重鎮のポジションなのだろう。大学の中でいかに威張っているかが窺い取れる。静岡県立大学(国際関係学部)はここ数年よく健闘していて、地位(偏差値ランキング)が上がっている。地位向上に貢献した功労者の一人が伊豆見元だということなのだろうか。



b0087409_12334272.jpgが、私には逆の見方もあって、適当なストーリーで解説を埋めるのではなく、正直に分からないことは分からないと言う方が、学者として誠意ある態度ではないかと感じる部分もあるのである。本当のところ、何で北朝鮮がこの時期にあのようなミサイル乱射の狂気に及んだのか、正確な事情や意図を分析するのは困難で、専門家も含めて我々には情報が与えられていない。伊豆見元の「分からないですね」は正しく、最初から分かったように言う方が本当は間違っている。分からないところから思考を出発させなくてはいけない。性格傲慢な伊豆見元には好感は持てないが、四年前も国中が拉致問題でヒステリックに騒いでいたとき、この男はそれに対して不快感を露にするように「拉致問題より核問題の方がずっと重大だ」と堂々とNHKの番組の中で言っていた。天邪鬼なところがあるが、知性として大衆迎合的なあり方を嫌う態度は一貫していて、その姿勢に見どころを感じる。

b0087409_16145616.jpg伊豆見元と全く逆に「それはこういうことですよ」とペラペラペラペラ「解説」しまくっているのが重村智計で、両者は実に好対照に見える。重村智計の「解説」は何とも浮薄で、現代の日本のテレビの報道番組の知的水準を象徴したものだと言える。中身が無い。解説なり分析の根拠が皆無だ。床屋政談以下。新聞記者が、誰か「正体不明の裏の人物」から聞いた話を、そのまま、例えば銀座のクラブでホステス相手に開陳して得意になっているあの感じ。公共の電波を使って学者が国民に政治解説する言説としてはあまりに無責任すぎる。重村智計によれば、今度の事件は、最近勢力が大きくなってきた改革派を押さえつけようとして、軍内部の強硬派が突き上げて結果されたものだというような説明になっている。そして北朝鮮の政権内部に亀裂と動揺があり、金正日の意思決定に遅れと誤りが見られるようになったなどと言っている。誰かが飲み屋で重村智計にそう言ったのだろう。

b0087409_1234941.jpg記者仲間の酒の席での雑談ならいいだろうが、テレビの報道番組でそれを言うのなら、せめて具体的に人名を挙げて、改革派とは誰々のことで、軍の強硬派とは誰々のことで、両者の対立や論争があった時期と場所はいつどこだったのか、何によってそれが確認できるのかを具体的に提示して論じるべきだろう。重村智計の憶測は単なる無駄話であり、聞く意味や知的刺激のない駄弁の集積である。分析と言うほどの中身がない。民放の報道番組のレベルが低いから、その「解説」に対して疑問が向けられることのないワイドショーの「コメント」なのである。専門家と言うのであれば、せめてもう少し、後で間違いが指摘されてもいいから、人を唸らせるようなプロフェッショナルな視点を示すことができないものか。専門家の情報処理をすることができないものか。と、ここまで重村智計の軽薄な解説を批判した以上、私は私なりの「解」を示さなければいけないが、実は独自の解がある。

b0087409_16242697.jpg解を示す。私は、今回の事件を導いたキーパーソンは黄長嘩ではないかと考えた。これは黄長嘩の仕掛(政略)ではないか。そう考えると謎が解ける。黄長嘩は今どこにいるのだろう。恐らく米国。米国で政治をしている。黄長嘩は、私から見て実に興味深い人物で、そして魅力的な知性で、この人物に一度会って話をしてみたい。黄長嘩の日本語は素晴らしい。どうやって主体思想を作ったのかも聴いてみたい。黄長嘩についてあれこれ(マルクス論を含めて)書きたいが、紙幅の都合で今回は割愛する。大事なことは、彼が二年前、久米宏のニュースステーションのインタビューで、金正日体制を打倒すると誓い、その秘策はあると言い切ったことだ。秘策を授けると言って首相官邸に行き、そして渡米してホワイトハウスに行った。ブッシュ政権の閣僚の前で北朝鮮崩壊の戦略を教示している。黄長嘩の秘策が何で、それを両国の政権がどのように評価したかは分からない。黄長嘩は自信を持っていた。

b0087409_1684525.jpg私は忘れていないが、そのときインタビューで黄長嘩が言っていたのは、北朝鮮と中国の関係を壊すという目標だった。中国が北朝鮮を支えているから北朝鮮の体制が保たれている。中国が北朝鮮を見離せば、その時点で金正日体制は潰れる。やらなければいけないのは中朝分断だと明確に言っていた。恐らく、米朝協議に黄長嘩が絡んでいるのだ。米国から北朝鮮(金正日)に発信するメッセージを黄長嘩が裏で仕込んでいるのである。それに金正日が気づかず、謀られて操作誘導されているのだ。ミサイルを撃っても影響はない、米朝協議は継続される、逆に北朝鮮にとって有利な展開になる、ミサイルは米国の妥協を引き出す、中国もさらに米国に妥協を進言する。そのようなシグナルを「確かな米政権の内部情報」として金正日に送っている人間がいて、それが黄長嘩なのではないか。その偽の「内部情報」を信じた金正日が誘き出されてミサイル発射に及んだ。これが解。金正日にとっては米国が全てだ。

b0087409_12342585.jpg金正日は米国との秘密交渉にのみ集中し、交渉相手を信用している。だから米国はそのルートを使って金正日をコントロールすることができ、偽の情報を掴ませることができる。米朝協議に対する最終的な楽観視がなければ金正日はミサイルを撃つことはできない。見落としてはいけない大事なポイントは、金正日が米朝協議にディペンドしきっていることだ。そして北朝鮮の内部には金正日の判断に影響を与えられる人物は存在しない。政策を提言できる人間はいない。そんな人間がいたら危険だから真っ先に粛清される。金正日は国内の人間には情報は与えず、自由な情報分析もさせていないはずで、情報は専ら自分で外国の新聞を読むか、ニュースを見るか、あるいは海外に放った直属工作員から直接に情報を取るだろう。政権の中での協議だとか論議などというものに意味のあるものはないのだ。金正日は、軍事であれ、外交であれ、自分以上の専門的インテリジェンスの存在を国内に認めない。路線対立などあり得ない。

b0087409_12343958.jpg金正日が信じ込んでいる情報ルートに嘘の情報を混ぜて流しているのだ。米政権の動向を金正日に流す情報ルートに嘘が紛れ込んでいる。偽の分析情報を流し、それを金正日に信じ込ませ、ミサイル発射の決定に誘導した。そういうことではないか。今度の事件で中朝関係は決定的な転機を迎える可能性がある。中国はミサイル発射を事前に知らされていなかった。私の見た感じでは、唐家旋は北朝鮮に対して擁護的だが、胡錦濤は金正日に消極的だ。信頼していない。無論、北朝鮮に対する政策決定の最終決定権は江沢民が握っている。江沢民が今回の事件をどう判断するか。これまでのところを見ると、もし黄長嘩が今回の政治(米朝協議の操作と金正日の暴走誘導)を裏で仕掛けているのだとすれば、黄長嘩の思惑どおりに謀略は成功している。中朝関係を壊すことが鍵だと黄長嘩は言った。金正日は中朝関係は絶対に壊れないと信じている。私は壊れると思う。中国政府は米朝交渉の裏の裏をどこまで探知しているだろうか。

中国社会科学院の方がブログを読んでおられれば、黄長嘩の動きに注意するよう促したい。米国の意図はハッキリしている。北朝鮮の核とミサイルで日本を改憲させ、核武装させ、中国を封じ込めること。今回の動きは黄長嘩とブッシュ政権のWinWinなのではないか。

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by thessalonike4 | 2006-07-07 23:30 | 韓国 ・ 北朝鮮 ・ 拉致
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