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本と映画と政治の批評
by thessalonike4

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街宣テンプレート(1) - 「改革」がもたらした高齢者への負担増
街宣テンプレート(1) - 「改革」がもたらした高齢者への負担増_b0087409_1436366.jpg城南駅前をご通行中の皆様、おはようございます。民衆党河口副代表の鉄砂魯人でございます。いま、日本中で高齢者の悲鳴が上がっています。いわゆる小泉構造改革の結果、年金受給者を狙い撃ちにした形での急激な負担増が高齢者に襲いかかっているからです。04年度の税制改正によって老年者控除が廃止され、公的年金控除が縮小されました。05年度の税制改正によって定率減税の半減と高齢者の住民税非課税措置の撤廃が決められました。その結果、お年寄りの暮らしはどうなったでしょう。先の衆議院予算委員会で民衆党の缶代表代行が質問に立ち、大阪茨木市に住む夫婦二人暮らしの具体例を挙げていましたが、年金だけの年収240万円で暮らすこの高齢者夫婦は、01年には所得税も住民税も1円も払わずに済む非課税世帯だったのが、控除の廃止や削減によって課税対象世帯に変えられてしまいました。




街宣テンプレート(1) - 「改革」がもたらした高齢者への負担増_b0087409_14362593.jpgこの制度変更に連動して、住民税負担だけでなく、国民健康保険料と介護保険料が上がります。介護保険の場合、基準額にかける保険料率が引き上げられ、住民税非課税世帯には適用されていた軽減料率の0.5とか1.0の数字が、課税世帯を対象とする1.25とか1.5に引き上げられてしまうのです。例に挙げた大阪茨木市の夫婦世帯の場合、介護・健保・税金すべて合わせた負担総額は、01年には17万6千円であったものが、07年には2倍近い30万9千円になります。13万3千円の負担増です。月20万円で暮らす高齢者の世帯にとって、月1万1千円の負担増がどれほど重いものでしょうか。予算委員会での安倍総理のお答えは、「平均以下の年金生活者には負担増はない」「政府は適切に処理している」の官僚答弁の繰り返しでした。安倍総理は、70歳、75歳を超えた高齢者にも再チャレンジをせよと無理を言っているようです。

街宣テンプレート(1) - 「改革」がもたらした高齢者への負担増_b0087409_1436465.jpgそれに加えて、ご承知のとおり、10月1日からは高齢者の医療費の負担増がありました。70歳以上で現役並みの所得がある人の窓口負担が、従来の2割から3割に引き上げられました。また、長期療養の療養病床で入院する70歳以上の患者も、食費や光熱費など居住に必要な費用が自己負担となりました。これまで、相部屋に入る人の1日の負担額は食材料費の780円だけでした。それが、食費は調理費を含めた1380円に上がり、光熱水費320円も自己負担になり、その結果、月額では約2万4千円が5万2千円になって、何と2倍以上も入院患者の負担が増えてしまいました。こんなに増えて払えるのでしょうか。安心して入院もできなくなりました。高齢者の医療費の窓口負担については、08年度からはさらに仕組が変わって負担が増え、現役より所得が少ない70歳以上74歳以下の人まで、現行1割の負担が2割に引き上げられることが決まっています。

街宣テンプレート(1) - 「改革」がもたらした高齢者への負担増_b0087409_1437881.jpg今年4月の診療報酬改定では、必要に応じて受けるべきリハビリ医療が、発症から最大180日に制限されてしまいました。政府は、慢性の病気で長期療養が必要な高齢者のための施設である「療養病床」の削減を医療制度改革の柱として推進しています。12年度までに、現在13万床ある介護型療養病床を全廃し、25万床ある医療型療養病床も15万床に減らす計画です。お金のない高齢者は病気になっても入院するな、病院に来るなということでしょうか。資産のない高齢者はどうやって病気を治せばいいのでしょうか。お金を持っている人だけが満足な医療を受けられ、お金を持ってない人が医療を受けられない制度に変わりつつあります。資産の格差が命の格差になっています。そのような「医療制度改革」が果たして「改革」と呼べるものなのでしょうか。私には、自民党の構造改革のメッセージは、「貧乏な年寄は早く死ね」と言っているように聞こえます。

街宣テンプレート(1) - 「改革」がもたらした高齢者への負担増_b0087409_14594276.jpg構造改革による国民への負担増は、特に弱い高齢者を標的にして集中的に行われました。高齢者も弱者です。病人も弱者です。低所得者も弱者です。自民党の構造改革の特徴は、まさに弱者を犠牲にして、弱者から生きる希望を奪うところに本質がありました。総裁選の期間中、麻生太郎さんは、「周りが迷惑するくらい元気なお爺さんていっぱい周りにいない?」などと言って、今の高齢者の深刻な現状を楽観的な言葉で言い隠す表現をしていました。そういう人はたくさんいるでしょう。でも、たとえいま元気な人でも、高齢者はいつどのような病気に襲われるか分からないのであって、健康と生活に不安を抱いている高齢者が圧倒的に多いことは事実なのです。自民党政府は、この医療制度改革について、制度を持続可能なものにするためにという言い方で負担増を正当化しています。介護にしても年金にしても、政府が「改革」と称して負担増と給付減をするものは、常に同じ言い方がされます。

けれども、病気になったお年寄が病院に行けず、入院するお金がないから治療できない人が増えて、医療が一部のお金持ちのためだけのものになって、それで制度が持続して一体何になるのでしょうか。民衆党は、「社会の安定を保障するセーフティネットの確立が大前提であると考え、その整備を進めて格差をなくすことを政治の最重要課題」とし、その考え方を大沢代表の「基本理念」として掲げました。今度の参議院選挙に勝利し、政権交代を実現させ、「国民の命と暮らしを守る」ことが民衆党の課題であり目標です。どうか皆様のご支持をお願いします。ご清聴ありがとうございました。

街宣テンプレート(1) - 「改革」がもたらした高齢者への負担増_b0087409_14374953.jpg

by thessalonike4 | 2006-10-06 23:30 | ワーキングプアと社会保障
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