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古田敦也引退 (1) - 古田は日本の民主主義の偉大な英雄
b0087409_15502190.jpg3年前の9月24日に 『古田は日本の民主主義の偉大な守護神』 という記事を書いている。この論稿はお気に入りの一作で、プロ野球論でありながら、同時に私のデモクラシー論の核心が表現されている。そして、この一年後に例の郵政選挙の政治の激動があり、私は決意してSTK改革ファシズムを止めるブロガー同盟)の運動を始め、荒れ渦巻く政治の波涛の中にブログの舟を漕ぎ出して行った。以来、ブログは「政治ブログ」にカテゴライズされるようになり、他の有象無象の無内容な「政治ブログ」たちと一列に並ばされ、日刊ゲンダイ紙からもそのような評価を頂戴して今日に至っている。ブログを始めて3年になるが、最初の一年間は「政治」はブログの主題ではなかった。むしろ「文化ブログ」の性格の方が強かった。二年前から結果的にそうなったのであり、それは自分の選択の反映であり、どれほど「政治ブログ」が不本意であれ、結果には責任を負わねばならない。



b0087409_15503581.jpgしかし、そうした思いとは別に、もう少し別な部分で感じ思うところがある。この3年間で、私だけでなく日本全体が大きく変わった。古田敦也の引退は大きなニュースに違いなかったが、3年前のあの事件と偉業から考えれば、今回のマスコミの古田敦也への関心は小さすぎるように私は感じたし、それはマスコミが悪いと言うよりも、私を含めて世間全体の関心が小さすぎるように思われてならない。テレビの報道番組では、もう勘弁してくれと悲鳴を上げたくなるほど、毎日毎日、あの71歳の二世政治家と67歳の三世政治家の二人が出て来て同じ事を言っている。嬉しそうな顔をしたキャスターが同じ質問を繰り返し、同じ話が延々と画像と音声を占有し続ける。本当は、あの無意味な二人の老醜政治家ではなく、古田敦也をスタジオに呼んで、3年前の快挙を心地よく回想したり、今後のプロ野球の発展のあり方を考えたり、そういう企画で報道番組の中身を埋めるべきなのだ。

b0087409_15505037.jpg3年前、古田敦也は選手会長として機構と戦っていた。1リーグ制への移行を画策する機構側の背後には権力者の渡辺恒雄がいた。古田敦也と渡辺恒雄の戦いだった。古田敦也のスト決断とプロ野球ファンの運動、国民の支持が実を結び、2リーグ制維持の勝利を得た。本当に感動的なドラマの一日一日であり、古田敦也の英雄的な行動に胸を熱くさせられた日々だった。朝、古田敦也は各方面に電話をかけて情報を収集分析し、昼、交渉の会場は赤坂のニューオータニだったと思うが、スト決行でセパの選手会を纏めて交渉に臨み、長丁場の会議で機構側が出してくる切り崩しや脅し(スト決行による損害賠償請求)に対して弁護士と何度も協議を練り、最後まで断固として2リーグ制維持の意思を貫き通した。そして夕方、報道陣の質問攻めにもみくちゃにされながらホテルのロビーを抜け、陽が落ちた夜になって、神宮球場にユニフォーム姿で現れていた。古田がバットを振っていた。

b0087409_1612050.jpg試合後半、一塁側ベンチから代打で出てきた古田敦也が、ウェイティングサークルで二度三度バットを振り、その雄姿にスタンド全体が熱烈な古田コールで激励、満場の歓呼の中で、それでも古田敦也は顔色ひとつ変えずに打席に立ち、いつものように配球を読み、あの上半身を使った独特のスイングで投手の決め球をセンター前に運んでいた。そして試合後にもスタンドの古田コールは鳴り止まず、ベンチから飛び出した古田敦也が帽子を脱いでファンに一礼、感謝の意を伝えて長い一日を終わっていた。そういう感動的な「古田の一日」を、『ニュースステーション』のプロ野球速報の中で何度も見た。神宮球場に詰めかけたファンは、ヤクルトの試合を見る以上に、古田敦也を応援するために集まっていた。思い出す。炎暑の日中の公式戦、ブルーウェイブのファンが神戸グリーンスタジアムの外野席で「古田支持」と大書したプラカードを持って立ち続け、「宮内、出て来い」と叫んでいた。

b0087409_15511660.jpgその古田敦也が引退するのだから、報道番組は特集をもってニュース・コンテンツを製作するべきだった。交渉の敵役を演じて有名になったロッテの瀬戸山隆三にインタビューしてクリップを作るべきだったし、渡辺恒雄に古田敦也を語らせてもよかった。あの「2リーグ制維持」の選手会のドラマは、もっともっと検証の手が加えられ、国民の文化的財産として彫琢復元され、記憶保存されるべきである。野村克也の古田論も最低十分間以上のコンテンツとして必要だし、捕手古田敦也を語る伊藤智仁の言葉も聴きたかった。何で自民党総裁選などの無意味な政治コンテンツで塗り潰されなければならなかったのだろう。高橋吉伸が語る古田論も聴きたかった。3年前は高橋由伸がよく頑張った。渡辺恒雄に反旗を翻した高橋由伸は偉大なインテリである。古田敦也の人生最大の功績は3年前の2リーグ制維持であることは間違いないが、その英雄のドラマを支えた多くの脇役がいたことも忘れてはならない。

古田敦也には、いつかまた監督として球場に戻って欲しい。そしてそのときは、強い監督としての姿を見せて欲しい。プロ野球で勝てる監督になるには時間がかかる。星野仙一がそうだったし、王貞治がそうだったし、長島茂雄もそうだった。雌伏の時が要る。臥薪嘗胆と暗中模索の時間が要る。プロ野球で勝てる監督になるためには、勝つコンセプトとスタイルが必要だ。男が勝利への執念を涵養し、勝利の方法を構築するためには、どうやら、どんな天才にも屈辱の試練が必要なようである。古田、頑張れ。

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by thessalonike4 | 2007-09-22 23:30 | その他
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