街を歩くとキンモクセイの香りがする。乾いた秋の空気が柔らかく体に触れてくる。人にやさしい季節になった。広告費の媒体シフトを加速させて、情報コンテンツの新しい市場を形成する運動を呼びかけているが、残念ながら、今のところ呼応する動きがない。昨日は久しぶりに
山口のとくらさんから電話があり、ブログの世界の話題やら、政治の世界の話題やらで楽しい時間を過ごした。電話の向こうの声が以前と同様に弾んでいて、7月の選挙のときの擦れ声が嘘のように元気だった。臨時国会も始まって、与野党で給油新法の是非が焦点になっているのだから、『世に倦む日日』も国会の議論に参加して、給油新法の政治の暴露に少しでも貢献しなさいというお達しだった。「
暴露をするのが『世に倦む日日』でしょ」。そうだったよね。何度も言われた言葉だ。忘れているわけじゃない。
広告費をシフトする目標と運動の関連で、テレビ放送局の将来像について持論を述べたい。私がめざすところ、テレビ広告費は現在の2兆円から1兆円にダウンサイジングされることになっている。広告費の貨幣形態が示す民放5局の情報価値は年間2兆円という価値量になっている。私はこの価値(価格)は不当に高すぎると思っていて、正確な市場価値は1兆円で十分であると判断している。情報市場の実態に鑑みて、企業が商品広告の媒体利用対価としてテレビ局に支払う貨幣総量は、2兆円の半額の1兆円で十分だ。現在の民放5局が生産している番組コンテンツは、1兆円あれば十分に製作可能であるし、正確には1兆円でも高すぎるように思われる。CMの媒体価値は番組の情報価値である。CMの媒体費用は、結局は商品単価に賦課されて、流通段階で国民の一人一人が支払っている。
民放テレビの番組コンテンツも決して無料ではないのだ。スポンサーの商品の購入という別経路を介して、消費者は民放局に番組の視聴料金を支払っている。一個の商品単価の中に、テレビ局のスタッフの給与や番組製作費や広告代理店の取り分が含まれていて、つまりは「報道ステーション」の古館伊知郎の莫大なギャラも、視聴者であるわれわれが間接的に支払っていることになる。テレビのコンテンツ価値は貨幣形態として実現されている。ただし不当に高額に。民放5局の情報の生産物の価額が2兆円というのは高すぎる。半額の1兆円でよい。企業は差額1兆円をネットに割り振り、ネットでの広告宣伝を拡充し、新しいネットCMのテクノロジとノウハウを開発すべきである。テレビ広告費が2兆円から1兆円に半減されるとき、テレビ局はどうなるか。われわれがイマジネーションを働かせなければならないのはそこだ。
竹中平蔵や松原聡ら過激な新自由主義者は、NHKを民営化して、そのチャンネル数を4から2に削減するなどと
妄言を吐いている。私は逆だ。民放テレビの大手4社を1社に統合、社名を電通放送株式会社にする。電波は4チャンネルを2チャンネルに削減。スタンスの似た日本テレビとフジテレビは合同して1局、TBSとテレビ朝日も合同して1局になってもらう。
電通第一放送と
電通第二放送。これでよい。この2局で民放テレビの放送事業を続けてもらう。テレビ東京は独自路線でコンテンツも重複しないので存続を許す。公共放送は現在の4チャンネルを6チャンネルに拡充する。総合、教育、衛星第一、衛星第二に加えて、24時間報道専門のチャンネルと24時間海外ニュース専門のチャンネルを追加する。すなわち、①総合、②教育、③衛星1、④衛星2、⑤24Hニュースセンター、⑥24H海外ニュースセンターの6チャンネル体制にする。
NHKが4局から6局に増える。民放が5局から3局に減る。われわれのテレビ情報生活は不便にはならない。なぜなら、現在の民放キー4局は毎晩、同じコンテンツ(使用価値)を配信しているからだ。チャンネルを変えてもコンテンツは同じ。お笑いバカクイズ番組か、お笑い政治番組のどちらか。その二つ以外にチョイスは無い。プロ野球放送もリストラされた。出演するお笑いキャラはどの番組も常に同じ。お笑い政治番組だと、平沢勝栄、舛添要一、原口一博、片山さつき、江田憲司、三宅久之、金美齢、テリー伊藤、橋下徹。オールスターズのメンバーが決まっている。こんな放送局が三つも四つもあっても何の意味もない。局に入る社員は、政治家か官僚か財界人か新聞幹部の子供か縁故と相場が決まっていて、そういう貴族連中が猥褻盗撮をやったり、麻薬をやったり、下請けの賄賂で飲み食い放蕩をやったりしている。あるいは電通と自民党と癒着して操作報道を繰り返している。
NHKではなく民放をこそ縮小すべきだ。日テレ、TBS、フジ、テレ朝の4局体制を電通第一と電通第二の2局体制にする。そしてテレビ広告費2兆円を1兆円に削減する。残りの1兆円はネット広告費にする。ネットの中に創造的なコンテンツの花を咲かせ、ジャーナリズムとアートとサイエンスの楽園を建設する。国民の娯楽と教養のニーズを埋める。この提案に賛同して欲しい。『世に倦む日日』は暴露もするが提案もする。
【CM】
価値形態のGoogle検索で初登場第4位。これが『世に倦む日日』のネットパフォーマンス。
【尋ね人】
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