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by thessalonike4
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春野町で起きた交通事故の冤罪事件 - サライの国へのユニゾン
b0087409_140259.jpg10/23と10/27の『きっこのブログ』に高知県で起きた白バイとスクールバスの交通事故をめぐる冤罪事件の記事がある。一週間前にたまたま10/23の記事を見て、ブログもフォローの記事を入れようかどうか悩んでいた。悩んだ理由は、こうして問題を取り上げた理由とそのまま直結するのだが、あまりに身辺に生々しく関わりすぎる問題だったからである。ブログの活動を3年間続けてきたが、プライベートな領域は完全に無色透明化して情報発信するのがブログの作法であり矜持でもあった。今回、その禁を破ることになる。事故と事件の概要は『きっこのブログ』や冤罪被害者を支援するブログの『冤罪事件進行中』を読んでいただきたいが、この事件が起きた国道56号線の現場は、私の高校時代の通学路で、自宅と学校のほぼ中間地点の場所になる。学校はそこからバスで15分ほど行った先にあり、宇治十帖の古文や宦官の世界史の授業もその学校の教室で受けた。



b0087409_14232188.jpg国道が幅広く改修され、当時とは風景が変わったが、あの場所は荒倉トンネルを春野町側に出たすぐのところだ。高校生の頃、バスに乗っていて、トンネルの手前、市内の方向に向かって左側に、9月の下旬になると彼岸花が咲いている場所があり、バスの窓を開けて座席から半袖の左肘を出していると、冷んやりとした空気を二の腕に感じ、秋の風が衣替えの季節であることを教えていた。バスの中は市内に通学する中学生や高校生でいつも満員で、片側一車線(当時)だった国道はトンネルの手前から長い渋滞を作っていた。付近の地図を少し拡大すると、県営春野球場が視閲範囲の中に入ってくる。ここで西武ライオンズが79年から03年まで春のキャンプを張っていて、松坂大輔が入団して最初のキャンプ生活を送ったのもこの球場である。大輔は球場から市内の宿舎まで10キロを超える距離を練習後に走って帰っていた。経路を地図でトラックすると右側に桂浜が入る。

b0087409_1403990.jpg事故を捏造されて冤罪被害者となったバス運転手の片岡晴彦氏は仁淀川町の方であり、バスに乗っていたのは仁淀中学校の生徒である。そして片岡晴彦氏に冤罪を押し着せた張本人の警察は土佐署である。どちらも縁が深い。深すぎて溜息が出る。この事件には関わらざるを得ない。土佐署は今は新しい建物になっているが、古い建物の頃、記憶では二度ほど中に入った覚えがある。一度目は恐らく小学校5年生のときで、道端で子供たちみんなで遊んでいて、五百円札が落ちているのを見つけ、遺失物として届け出た思い出である。落とし主は現れず、五百円は子供たちの小遣いになった。二度目は原付免許の書き換えか何かの手続きだった。仁淀中学校。現在の場所に校舎が建ったのは何年前だろう。ネットを検索しても情報が出ない。25年前だったか。中学校の校舎が建つ前、ここには廃止統合される前の小さな小学校があり、私はその過疎山間の小学校に1年生として入学した。

b0087409_1411184.jpgそこは愛媛県との県境の僻地であり、と言うことは、峻険きわまる四国山脈のど真ん中の天涯の地であり、当時も、その後も、現在も、この国の中では過疎の中の最過疎の地域である。四国は小さな島だが、山脈の峻険さは初めて見た者を圧倒し驚愕させる。紀貫之が海路で往来せざるを得なかった理由を誰もが納得する。仁淀川上流の峡谷世界を都会の人間に形容し説明するとき、私はいつもアンデスのマチュピチュの丘を喩えに出す。景観がよく似ている。夏になると仁淀川の小さな支流で川遊びをした。四万十川と並ぶ日本一の清流の最上流。川の流れは急で蛇行し、屈曲する外角に断崖の岩場と深い淵を作り、内角に浅瀬と小石の河原を抱え込む。河原側からクロスして泳ぎ渡り、怖い深みを越えて岩に這い上がり、その岩の上から深みに飛び込んで、今度は浅瀬の河原まで復路を泳ぎ帰る。子供たちはそうやって夏休みを遊んだ。その情景は、そのまま宮沢賢治の『風の又三郎』の中に描かれていた。

b0087409_14155018.jpg懐かしいサライの国。バスの片岡運転手があの場所から右折しようとしたのは、高岡町から右折していの町(旧伊野町)に出、そこから国道33号線に入ろうとしたのだろうか。明日(10/30)、高松高裁の判決が出るこの冤罪事件は、テレビ朝日の「報道ステーション」で取り上げられる可能性が十分にある。『きっこのブログ』も続報の構えを見せていて、全国的に有名な事件になるだろう。今回は望郷のイントロだけでしか記事を埋められなかったが、どうしても言わなくてはいけないことが二点あり、それはローカルジャーナリズムの問題だが、一つは瀬戸内海放送の検証報道の素晴らしさである。これは実際に放送内容を見ていただきたいが、ジャーナリズムとして奮闘しているテレビ局の姿を久しぶりに見て感激した。瀬戸内海放送に大きな拍手を送りたい。それともう一つは高知新聞が対照的な姿を見せている点で、これは一体どういうことだろう。権力ではなく人民の側に立つ自由民権の伝統の新聞だったが、変わったのだろうか。

なぜ高知放送やテレビ高知ではなくて高松の瀬戸内海放送なのだろう。バスに乗っていた生徒たちが、全員、虚偽の証言をしているとでも言うのだろうか。理解できない。

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by thessalonike4 | 2007-10-29 23:30 | その他
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