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小沢一郎の策動と詭弁と - 朝日新聞も森田実も決別宣言へ
b0087409_1127998.jpg現時点で情勢はまだ流動的でどう転ぶか分からない。朝日新聞の朝刊を読んだかぎりでは代表辞任で確定の方向だが、毎日新聞の記事では党執行部と小沢一郎の間で代表留任の条件闘争が続いている感がある。昨日の辞任会見でも、小沢一郎は「執行部をはじめ同僚議員に進退を委ねた」と言っている。辞任を確定させてこれで終わりという表現ではなく、含みを残している。役員会が恒久法成立と連立協議を受け入れれば、代表復帰もあり得るという含意が読み取れる。要するに小沢一郎が目論んでいるのは、党内で小沢支持の声を少しでも多く上げさせて、あわよくば恒久法と連立協議の路線に党の多数を妥協させるか、あるいは自分と一緒に党を出る仲間を一人でも多く集めようということだろう。毎日の記事では、西岡武夫が小沢一郎に同調して役員会批判をしている。昨夜のNHKでは渡部恒三が小沢支持の発言をしていた。   (下に新聞社説一覧紹介)



b0087409_11273085.jpg旧自由党の議員たちが揺さぶりをかける展開が予想される。参院では民主党から17名が造反して与党側に付けば与野党の議席数が再逆転する。政治記者たちが注目する当面の政局の焦点はそこに向けられるだろう。すなわち、参院17名の頭数を確保すれば、小沢一郎は政局のキャスティングボードを握る存在となり、この15年間ほど見続けた小沢一郎の政局芝居の新たな幕が開けることになる。政治番組コンテンツにとっては格好の素材提供。小沢一郎は地下に潜り、側近に指令して票集めと切り崩しに専念し、代表留任と新党結成の両天秤で菅直人と鳩山由紀夫を脅し上げる作戦に違いない。朝日の記事では、小沢一郎はすでに「過去の人」になっている。民主党の議員たちの多くは小沢一郎の身勝手に愛想をつかしていて、昨年4月の代表選での「私も変わらなければならない」の小沢一郎の言葉に裏切られた気分でいる。

b0087409_1128677.jpg彼らは何度も何度も小沢一郎が演じてきた「作っては壊し」のドタバタ劇を目撃してきた業界仲間であり、そのトラブルに振り回された苦い経験があり、少なくない人間が迷惑と被害を蒙っている。「もう懲り懲り」というのが率直なところだろう。「『政権交代』は偽りだったのか」と題された今日の朝日新聞の社説は熱のこもった直言であり、昨日のブログの記事と全く同じ論調となっている。朝日に特有の官僚臭がなく、ストレートに小沢一郎を批判している。民主党支持者を代弁している。昨日の記者会見の中で小沢一郎は詭弁を使っていた。政党は政策を実現しなければ存在意味がないという論理を前面に立てて、自己の連立協議の正当性を強調していたが、そこでは自身が政治目標として第一に強調していた「政権交代」は巧妙に議論の背後に隠していた。小沢一郎が有権者に約束したのは、政権交代による政策実現であって、連立協議による政策実現ではない。

b0087409_11281853.jpgそこに詭弁と詐術がある。確かに政権与党と連立協議をやれば、公約に掲げた政策の一部は実現できるだろう。だが、同時に、政権協議をすれば、自民党が要求する政策も民主党は合意して受諾しなければいけない。それは自民党が推進する政策の実現に民主党が責任を負うことを意味する。これは明白な公約違反だ。小沢一郎の場合、解党したり新党を作ったり、政権に参加したり政権から離脱したりするとき、この種の「使い分け」の論法を頻繁に用いてきた経緯がある。政策を実現しなければいけないからと言って政権に野合し、有権者との公約を守らなければならないからと言って連立を破壊した。その矛盾や妄動は、誰にも追及されることなく、記者会見で質問が飛ぶと記者を睨みつけてその場を凌いだ。民主党に入ってからは政権交代のカリスマとなった。野党勢力を束ねる希望の星となり、専ら左翼方面から阿附迎合の世辞と追従を浴びせられる存在となった。

b0087409_11284256.jpg小沢一郎を批判するのは政権と右翼だけという奇妙な言論状況が現出していた。朝日新聞と左翼陣営に持て囃された保守は誰でも有頂天になる。小沢一郎のマスコミ批判に同調する騒音が喧しいが、それは本末転倒というものだろう。憶測記事や捏造記事を書かれたくなければ、目撃者や証言者のいない密室談合など最初からやらなければいいのだ。次の衆院選を睨んで自民党は死に物狂いで民主党潰しに出ているのであり、小沢一郎が密室協議に及べば、読売や産経が何を書いて流すかは誰でもわかる。マスコミ謀略説で小沢一郎を擁護するのは論理的に無理がある。過失責任をとって辞任するのは当然だと私は考えるが、責任をとって辞めるにしても、党への影響を最小限に止めるために、自らの過誤に対して反省の弁を述べ、政権交代の目標実現をあらためて誓い、後継代表を菅直人に指名して党の一致団結を申し送りしておくべきだった。森田実は本日(11/5)の朝日新聞の社会面でこう言っている。


【11/5 朝日新聞 社会面 森田実氏の話】

首相との事実上の約束を守れなかったのだから、責任をとるのは当然だ。ただ、会見を見ていて、「小沢さんは分かってないなあ」と思った。国民が彼に不信感を持つのは、「政権交代をする」と言い続けて参院選で支持を集めたのに、違う方法をとろうとしたから。これでは国民を欺くことになってしまう。そもそも首相と二人だけで会談したのはなぜか。「密室政治」「独断専行」と言われても仕方ない。もしも党代表を辞めないまま政権が交代していれば、間違った人物が権力を持ってしまうところだった。もっとちゃんとやってくれると期待していたが、参院選の成功が奢りに転じた。英雄が失敗する典型的なパターンだ。
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【追 記】
今朝の朝日新聞の論調は「辞任で確定」の線だったが、11/5の午前になって記事が変わっている。やはり間違いなく条件闘争が続いている。小沢一郎は諦めていない。綱引きの暗闘が熾烈に続いている。

朝日の11:18の記事では「自衛隊派遣協議は容認か」と出ている。これは民主党の党内論争を呼び、党内に摩擦と軋轢を引き起こし、党は弱体化するだろう。前原誠司と長島昭久が動き出すに違いない。週末の「サンデープロジェクト」で恒久法と政権協議必須論のアジをかますのではないか。

「小沢一郎やめないで」を連呼している者たちは、自衛隊派遣恒久法と自民党との大連立協議を容認すると言うのだろうか。「政権交代」の約束は嘘でもいいのか。あきれる。自衛隊の海外恒久派遣は憲法違反ではないのか。いつから合憲になったのだ。

11/5 15:00 役員会で慰留方針決定の報。「安全保障の個別テーマで自民党との政策協議を認める方針」。小沢一郎の勝利。これで恒久法は成立も同然。新テロ特措法も形を変えて通すだろう。集団的自衛権、憲法改正も時間の問題となる。来たね、大政翼賛会。「普通の国」、遂に完成。

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by thessalonike4 | 2007-11-05 11:30 | 大連立協議と小沢辞任
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