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by thessalonike4
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山口2区補選結果と後期高齢者医療制度 - 「廃止法案」の欺瞞
b0087409_14362238.jpg昨夜(4/27)、午後9時前に放送されるTBSの短いニュース番組で山口補選の報道があり、その映像に一瞬だけとくらさんの姿が映っていた。開票と同時に当選を決めた平岡秀夫が壇上で万歳をして、左右に立つ者と握手した後、すぐに壇を下りて向かって右側に歩み寄り、両手を差し出した先にとくらさんの姿があった。昨年の参院選のときと同じ白のスーツの格好をしていた。お元気そうで何より。平岡秀夫が真っ先に寄って来て握手したということは、きっとこの選挙でとくらさんの活躍が大きく、集票において多大な功績があったから、奮闘に対する感謝の気持ちがそうさせたのに違いない。そんな気がする。選挙は勝つと負けるでは天国と地獄の違いだ。立候補した者は現職も新人も等しく崖っぷちに立たされる。当選した者だけが絶体絶命の窮地から生還できる。だから、こういうときは人間の心が素直に行動に現われるのだ。選挙運動で最も貢献してくれた人から自ずと順番に感謝の気持ちが伝えられて行くのだろう。



b0087409_1436458.jpg何となくテレビで顔を見れそうな予感がしていた。「今“変える”ことこそが『地域活性化』への近道」と題された記事は、公示日前日に書かれたものだが、この頃が自民党候補の猛追を受けて平岡陣営が最も苦境に陥っていた時期であり、情勢の逆転が報道され、東京で小沢一郎が鳩山由紀夫を怒鳴ったり、匙投げ発言をした記事が書かれていた局面だった。記事は静かな檄文であり、醒めた決意が行間から伝わって来る。この人が決意したときのパワーは凄まじいものがあるだろうなと私は思い、陣営が劣勢を挽回した原動力の一つだったに違いないと想像する。政治の運動でこれほど強力なエネルギーを発揮できる実力者を他に知らない。昔はそのような政治活動家が多くいた。今はいなくなった。口先だけの政治家ばかりになり、地位と金と権力を追いかけて威張ることだけが目的の政治屋ばかりになった。真摯なメッセージやエネルギーで人を動かすことのできる政治家が日本にいなくなった。その意味で彼女は貴重な存在なのだろう。

b0087409_14371197.jpg参院選の後、岩国市長選でも負け、くやしい日々が続いていた。負けず嫌いの人の久しぶりの勝利となる。本人の永田町デビューの日が一日も早く来ることを願ってやまない。新聞は、今度の選挙の民主党勝利について、いわゆる「三点セット」の訴えが奏功したと書いている。しかし私は、選挙情勢が逆転したのは、後期高齢者医療制度が施行されて高齢者の年金から保険料の冷酷な天引きが始まり、その問題がマスコミで大きく報道された結果だろうと考える。もし、後期高齢者医療制度の問題がなく、単に「ガソリンと道路」の争点だけで選挙戦を戦っていれば、平岡秀夫は接戦の末に敗北していただろう。後期高齢者医療制度の風が吹いて情勢が再び民主党有利に反転した後、4/20に福田首相が山口入りして演説したが、報道で紹介されているとおり、この演説の有権者をバカにした言葉遣いが最悪で、緊張感がないと言う以前に常識がなく、およそ国政選挙で候補者の応援をしている言葉とは思えない。聞いた者は拒絶と反発と嘆息を返すしかない異常な語りだった。

b0087409_14365785.jpg自民党候補者の山本繁太郎も醜悪だった。容姿が最悪で態度も最悪。勘違いをしているとしか思えない映像ばかりがテレビの画面に出て、見ているだけで不愉快であり、どうしてこのような醜悪な人物が全国注目の補選の候補者に選ばれるのか不可解で仕方がなかった。また、あのような人物が公示日前後に現職を追い上げて当選を射程に入れていたという事実も不可解で、有権者の良識を疑ったものだ。山本繁太郎の奇矯で低俗な風貌を見ていると、バブル官僚のなれの果てという不快な表象が浮かんで来る。これまでどれほどの税金を飲み食いに使ってきたことか。この男の意識では、それが当然であり、官僚で貪り、次は議員で貪るのが当然で、有権者の国民は官僚を議員にする通過儀式で一票入れる存在であり、官僚から議員になるときは官僚の宴会でやった裸踊りの真似事を選挙カーの上でパフォーマンスするサービスをすればいいと思っているのだ。人の暮らしが行きづまり、政治が切実な問題になっている今の日本で、どうしてこういう人物が厚顔無恥に表に登場するのか。

b0087409_1437244.jpgそれと、補選結果に関連して次のことを言いたいが、民主党と野党はなぜ「後期高齢者医療制度廃止法案」を参議院に提出しないのか。野党4党がそれを2月末に衆院に提出した報道はある。だが、それがどのように審議されたのかは全く情報がない。委員会で否決されたのかどうかも不明だ。報道を見るかぎり、3月の国会では後期高齢者医療制度の議論は皆無であり、政治家たちは暫定税率と道路特定財源の問題ばかりを国会の外で、テレビの政治番組でくっちゃべっていた。この問題が報道の表に出るのは4月に制度が施行されて現場で混乱が始まってからだ。本当に制度の廃止が必要だと考えるなら、廃止法案を3月に参院に提出して国民の前で審議すればよかったのではないか。野党はそれをせず、混乱が始まってマスコミが報道を始めた4月になってから政権を攻撃する材料として後期高齢者医療制度を政治的に使っている。それは民主党だけでなく社民党も同じだ。3月に後期高齢者医療制度問題を発言していた議員はいるのか。もし廃止法案を参院に提出していれば、制度の設計過程の内実も明らかになっただろう。

b0087409_14363477.jpg制度の立案に携わった厚生官僚を委員会に呼んで証言させ、具体的に竹中平蔵や高橋洋一からどのような指示が下されたかを暴露させることができただろう。委員会審議とマスコミ報道を通じて、廃止法案の参院採決で自民党議員の中に賛成あるいは保留の議員も出たに違いない。参院で廃止法案を可決成立して衆院に送ったとき、これを自民公明が衆院で否決するのはきわめて難しい状況になり、制度の廃止もしくは全面修正せざるを得なくなっていただろう。そういう政治状況を簡単に想定することができる。後期高齢者医療制度こそ政局の争点に据えればよかった。暫定税率よりも簡単に自民党を割ることができ、自民と公明を分断することができ、民主主導の政界再編へ政局を運ぶことができ、解散総選挙へ追い込むことができた。選挙となれば、自民も民主も後期高齢者医療制度の存置継続などは公約のしようもなく、選挙を前に一瞬で制度は廃止される事態になったに違いない。要するに、民主党は本気でこの制度を廃止する気があるのかということだ。単に票欲しさだけで「廃止」を言っているのではないのか。政権攻撃の材料に利用しているだけではないのか。

b0087409_14373853.jpg今日(4/28)のマスコミ報道では、衆院で自公が暫定税率の再議決をやり、ガソリン価格が上がり、その次に5/12の道路整備財源特例法の改正案再可決が焦点になったなどと言っている。次々に幕が上がる。ガソリン国会の論戦が再開する。民主党は山口2区補選に勝ったにもかかわらず、また、福田内閣の支持率が史上空前のレベルまで低落したにもかかわらず、問責決議案は提出しない方針を固めている。すなわち、ずっと同じガソリン国会の芝居が続くのだ。「みなし」だの「再可決」だの「審議拒否」だの「与野党協議」だの「議長斡旋」だのの騒動を続けながら、不毛なガソリン国会の芝居を会期末まで続けるのである。テレビの政治番組はその聞き飽きた与野党の「論戦」を見せるのだ。そして後期高齢者医療制度は結局は何も手つかずで、特に修正もなく、消えた年金と同じように高齢者は我慢を強いられ、我慢を受け入れ、そのうちマスコミも何も言わなくなり、次の総選挙のときは争点ですらなくなっているのだ。そして制度は定着させられ、2年後は予定どおり保険料が引き上げられるのだ。引き上げ反対と誰かが言えば、朝日新聞を筆頭とするマスコミと山口二郎が、それなら消費税増税だなと言うのだ。

民主党の「高齢者医療制度廃止法案」など、世論の前のただのポーズだ。本気じゃない。

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【世に倦む日日の百曲巡礼】

1971年の Three Dog Night の 『An Old Fashoned Love Song』 を。

哀愁漂うオルガンのイントロとロマンティックなバラードが懐かしい。
3DNはシカゴと並んで民主党支持の旗幟鮮明な米国のロック・グループだった。

Black And White』 などいかにもそれらしいテーマの曲。
対して共和党を支持していた保守派の筆頭格がカーペンターズの兄妹。



しかし、保守化とか右傾化というのは日本だけの出来事じゃないよね。

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by thessalonike4 | 2008-04-28 23:30 | ガソリン国会と後期高齢者医療
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