昨日の護憲オルグの
記事に対して読者からメールがあり、宮崎駿に対する説得役は吉永小百合に依頼するのが最適だという提案を頂戴した。What a nice idea ! 百点満点だ。小森陽一はおすぎと美輪明宏を連れてすぐに吉永小百合邸へ飛べ。四人で宮崎駿を口説き落とせ。探せばいろいろな可能性がある。昨日、四人をピックアップして、他にはいないかとネットの中をうろついていたら、宮沢りえを
発見した。宮沢りえは素晴らしい女優だ。抜群の演技力で感動的な場面を作る。「たそがれ清兵衛」の朋江役もよかったが、大河ドラマ「武蔵」のお篠役も印象に残った。救国のジャンヌ・ダルクになって護憲エバンジェリズムの先頭に立って欲しい。宮沢りえは誰が説得するのか。やはり
吉永小百合と岸田今日子と山田洋次と井上ひさしの四人だろう。もう一人、この人にも立ってもらいたい人がいて、それは中島みゆきである。中島みゆきを口説けないだろうか。例えば、黒柳徹子と南こうせつの二人が瀬尾一三を口説き、三人で中島みゆきを口説けないか。
中島みゆきに九条のテーマ曲を作詞作曲してもらえないだろうか。日本人の歴史に残る不滅の名曲を書いてもらいたい。「九条の会」は、中島みゆきに作曲を請願したらどうだろうか。請願する手紙を全国4700拠点の一人一人から中島みゆきに宛てて書く運動を展開してみたらどうだろう。改憲はそのまま国民がテロ戦争の政治下に置かれることを意味する。思想信条の自由が奪われることを意味する。改憲は同時に戦争である。だから一人一人が為せる最大の努力でこれを阻止しなければならない。イデオロギーの問題に見える憲法問題を、平和と権利の問題として覚醒させ、再認識させなければならない。そのためには音楽の力が要る。そしてそれはスマートで本格的で説得的なものでなければならない。才能のない音楽家の付け焼刃的作品で代行させては駄目だ。乾坤一滴の作曲の力業が必要であり、それを果たせるのはカリスマである中島みゆきである。人を説得するためには、圧倒的多数を共感へ導くためには、カリスマの天才が必要だ。
九条擁護を国民的な運動に盛り上げなければならない。心を律動させる興奮と感動を、そして危機感とアピールを、この国に生きる一人一人に届けなければならない。地域の交流会の輪の増殖で満足させてはいけない。日本の政治を動かすための巨大な国際運動にしなければならない。エンドースはポールマッカートニーに頼んでもいいんじゃないか。渾身の説得をすれば、きっと応じてくれるだろう。傑女のマドンナも快諾してくれるだろう。ポールマッカートニーの説得の担当は
湯川れい子と小野洋子か。平和憲法の廃滅は国連憲章の死文化と同じだ。現に死文化に直面している。国連憲章を守るために平和憲法を救わなければならない。平和憲法を救出することで国連憲章を蘇らせる意味を説得し、世界の文化人を運動に参集させなければならない。トリノ五輪の開会式で「イマジン」を歌ったピーターガブリエル。彼にもエンドースと作曲を依頼したらどうか。依頼する担当は小沢征爾。小沢征爾を忘れていた。小沢征爾の説得力も村上春樹や宮崎駿に劣らない。
「九条の会」のサイトに小沢征爾のメッセージも上げるべきだ。そして小沢征爾なら欧米の知識人を動かせる。まさにキーパーソン。拝み倒して陣営に旗を立ててもらうべきだ。私は「九条の会」の機動戦の契機の弱さを批判しているのだが、これは単に戦略の問題ではなく組織のあり方とも関係しているように感じられる。一見して「九条の会」はセンターの機能が強力ではない。司令部に十分な資源(人材と資金)が用意されていない。機動戦を戦うためには機動力がなければならず、機動部隊を動かす参謀本部が必須である。「九条の会」が陣地戦のみにシフトしているのは、組織と資源を十分に持たず、組織論として参謀本部の機能を思想的に排除しているからではないのか。これは私の勝手な観測だが、嘗ての左翼の組織論におけるスターリニズム(民主集中)のトラウマのために、言わば羹に懲りて膾を吹きすぎているのではないかという思いが頭を過ぎった。上位下達システムを嫌忌して、徒に水平アメーバ型組織論に執着しているのではないか。
機動戦は絶対に必要で、機動戦を戦うための組織と資金は絶対に必要である。国内のゲリラ戦だけでは改憲側に勝てない。金が無ければ作るのだ。世界署名運動は、同時に組織と運動を維持するためのカンパニアを併行してよいだろう。カンパニアをエバンジェリストがサポートする。マッカートニーとマドンナとガブリエルが三人で曲を作って、その売上を小沢征爾が代表の「アーティクル9国際運動」の基金に入れるのはどうだ。
前々回に提案した、ネグリやチョムスキーやセンやチャペスやハベルらが寄せたエンドースメントのテキストを一冊の本にして、著者に著作権を放棄してもらい、それを全世界で売るのはどうだ。序文を小沢征爾が書き、あとがきを大江健三郎が書けばよい。必ず売れる。機動作戦は必要で、資金集めも必要で、資金集めのためのマーケティング戦略も必要である。金を動かさなければならない。世界中で金を動かし、人を動かし、地球規模のモメンタムを作るのだ。大型の組織が必要で、事務局はそれを作り動かす構想力が必要である。
改憲阻止の戦いは関ヶ原だ。生きるか滅びるかの決戦であり、世界にとっても国連憲章の生死のかかった戦いとなる。金も人も時間も惜しんではいけない。大きな戦いにして大きく勝つことだ。一部の中高年左翼だけが小さく地域で集まる護憲読経運動のレベルに終わらせてはいけない。