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「外交には時間と忍耐が必要」 - 北朝鮮と日本の戦争ロードマップ
b0087409_14113038.jpg「一回や二回の訪問で簡単に問題が解決されるわけではない。外交には時間と忍耐、そして各国の努力が必要だ」。この姜瑜報道官の発言を映したNHKのカットがよく、そして言葉もよかった。才気あふれる新しい人材の登場を見るのは楽しい。ブログは姜瑜を応援する。この北朝鮮ミサイル問題の報道に釘づけになるのは、それが日本の運命を決める重大な政治問題であるからという理由もあるが、それに加えて、この外交ドラマのキャストが充実していて、そして正義と悪の戦いという構図がクリアで、悪に追い詰められていた正義が劣勢を挽回して反撃する場面に入ったからである。まさに心を躍らせる勧善懲悪のドラマ。悪の敵役はボルトンと安倍晋三と麻生太郎と額賀福志郎、正義の英雄はヒルとライスと姜瑜と王光亜。いつか偉くなって、ヒルとライスと姜瑜と四人でテーブルを囲んで食事をしてみたいものだ。至福の時間になるだろう。姜瑜は42歳、ライスは52歳、ヒルは何歳だろう。



b0087409_1335223.jpg昨夜のNHKの7時のニュースは面白かった。NHKのニュース報道のクォリティは高い。そして昨日の放送には、NHKの安倍晋三に対する面従腹背と抵抗姿勢がよく出ていて、ミサイル問題の政治を固唾をのんで見守っている我々視聴者を勇気づけてくれるものだった。NHKを安倍晋三と竹中平蔵の魔手から守らなければならない。国民は受信料を払おう。昨夜はスクープがあり、ロシアのロシュコフ駐日大使がインタビューに応じて、ロシアは中国の議長声明案を支持し、不本意な決議案が上程された場合には一国でも拒否権を行使するという発言が飛び出した。これは意外であり、衝撃的なニュースである。ロシアが北朝鮮制裁決議案に対して一国でも拒否権を発動すると明言した報道は、これが世界で初めてだろう。ロシアのチュルキン大使は7日の安保理非公式会合では終始沈黙を守っていて、採決で棄権に回るのは確実だと見られていた。米国(ライス)の動きを見て態度を一転させた。

b0087409_13353241.jpgロシュコフ大使のインタビューは、内容が衝撃的ということもあるが、NHKがそれを撮って流したという事実の方がさらに意味が大きい。安倍晋三への抵抗である。水面下で各自が必死で頑張っている。ライスの電話で制裁決議案は終わりになった。安倍晋三は、平壌の中朝交渉が失敗すれば採決すると強がりを言っているが、その発言を担保する政治材料は何もない。米国は北朝鮮への譲歩を決断したのであり、六カ国協議復帰の取引条件としての金融制裁解除はオファーされている。あとは交渉が纏まるタイミングだけの問題だ。フランスも議長声明でいいという立場に変わった。現在の情勢を読むと、日本が落としどころと踏んでいた非難決議案の採択さえも微妙で、中露の求める議長声明案で落ち着く可能性の方がむしろ高い。まず制裁決議案の可能性がゼロになり、北朝鮮の六カ国協議復帰が早々に決まれば議長声明、それが決まらず中朝交渉が決裂すれば非難決議案という二者択一になるだろう。

b0087409_13354384.jpgだから冒頭の姜瑜報道官の発言には意味があり、要するに今回の武大偉の交渉で北朝鮮を六カ国協議に引き出せなくても、それが直ちに安保理の決議案の中身や採否に影響を及ぼすことはないと釘を刺しているのである。武大偉の手ぶら帰国は折込済みというメッセージだ。これは米国の方針転換によって担保されているのであり、すなわち日本に対する外交勝利宣言である。制裁決議案は完全に消えた。この点は、元国務省北朝鮮担当官のケネス・キノネスが昨夜の報道ステーションで当を得た解説を行い、それは今朝の報道番組でも再び紹介されたが、日本の権力中枢にいるタカ派政治家の安倍晋三や麻生太郎が米国の外交政策の判断をミスリードして、反共反中のボルトンをイコール米国と思い込む間違いを犯したのだと率直に言っていた。キノネスの説明では、7/7にホワイトハウスで北朝鮮問題の方針をめぐる論議があり、ブッシュ大統領がボルトンの強硬策を却下してライスの融和策を選択したのだという。

b0087409_13355497.jpg日本のネオコンは米国政府に梯子を外されて恥をかいた。あれだけ「日本の初めての国連外交」と持ち上げていたテレビ報道が、今日は踵を返したように「日本外交の失敗」を言い始めている。確かに姜瑜の言うとおり、外交には時間と忍耐を要する。それは事実だ。だが、これで金融制裁解除を手に入れた金正日の方はどうだろうか。これまで凍結されていた金融資産がミサイル発射で自由に使えるようになった。窮地を脱した。この男は平壌地下の最高司令官室でほくそえんでいるだろう。たとえ六カ国協議に復帰しても、またゴネ得を求めて瀬戸際外交の手段を選ぶに違いない。ゴールは米国による体制保証と包括支援だが、そこへ到達するまでのロードマップがある。すなわち、二度目のテポドン2発射実験、核実験、核小型化検証実験、である。そして米国に代わって日米同盟のフロントとして北朝鮮との戦争を準備し始めた日本にもロードマップはある。すなわち、来年の憲法改正、再来年の核武装とトマホーク配備、再々来年の徴兵制である。

米国は北朝鮮と戦争する意思はないが日本にはある。日本の軍国主義ロードマップを止める力は日本国内にはない。中国は中国の安全保障にとって最大の脅威である日本の軍国主義化を止めなければならない。北朝鮮のレジームチェンジを決断することだ。
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by thessalonike4 | 2006-07-12 23:30 | 韓国 ・ 北朝鮮 ・ 拉致
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