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by thessalonike4
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安倍政権の構造と環境 - ライブドア世論調査では支持率23%
b0087409_17525869.jpg安倍内閣の支持率はどれくらいになるのだろう。私はずっとこの数字を気にしていて、記事の中でも関心を払ってきた。安倍首相は80%以上を狙っているはずだ。大学の単位取得試験と同じで、80%以上なら優、70%台なら良、60%台なら可、60%以下なら不可となる。NHK世論調査による9/11付の小泉内閣支持率が51%、読売新聞調査による任期五年半の平均支持率が56%、そして新内閣発足時の支持率は90%を超えていた。あれだけテレビをジャックして延々と宣伝工作を続けてきたのだから、80%の目標値は決して高いハードルとは言えない。私の予想では、仮に最初の内閣支持率が65%を切った場合、10/22投票日の補選で自民党は大阪9区を取りこぼすだろう。神奈川16区は自民勝利がほぼ確定と言われていて、大阪の接戦が伝えられている。大阪の選挙が安倍内閣の評価を決める最初の試金石となる。この選挙を負けると安倍首相の党内での求心力が低下する。



b0087409_17531254.jpg論功行賞人事に不満を燻らせている派閥の面々から、「チーム安倍」の政策や党運営に対して批判が上がるようになるだろう。ちょうど来年度予算の時期になる。族議員と官僚は長く不自由が続いた小泉時代(竹中時代)が終わって、息を吹き返す機会を狙っている。さいわい税収も上がっている。凍結していた省益案件を復活させたいだろう。官邸主導で強引に予算編成を進めたい安倍首相にとって、大阪の補選の勝敗は重要であり、すなわち選挙の趨勢に影響を与える内閣支持率は決定的な指標となる。どこまで参考になるかわからないが、ライブドアがアンケートを始めていて、それによると、「安倍新内閣に期待しますか?」という質問に対して、「期待する」と答えているのが27%で、「期待しない」と答えているのが73%という結果になっている。意外にも圧倒的に「期待しない」が多い。安倍首相は総裁選時のネット世論調査でも人気が低く、脇役の麻生太郎の後塵を拝するという不始末を演じていた。

b0087409_17532626.jpg今度の内閣は官邸に権力を集中させている。閣僚を名誉職ポストにして権限を与えていない。重要な政策は、塩崎恭久と下村博文と石原伸晃の三人、および内閣府特命大臣の四人と首相補佐官の五人で決めて行くという手法がうかがえる。基本的に政権は二重構造で、官邸グループと閣僚グループの二つに分かれ、実権を握るのは官邸グループの方である。名誉職の閣僚グループは(若干の例外はあるだろうが)来年の参院選までで首が替わることが前提されている。官邸グループの方は(安倍自民党が勝てば)参院選後もずっと同じ人間が権力を握って安倍政権の中枢に位置し続ける。何かあっても彼らは責任はとらない。責任はお飾りの閣僚にとらせる。そういう政権と内閣のシステムである。そしてさらにCIAと安全保障会議を組織拡充して権力拡大を目論んでいる。が、一見して一枚岩で磐石に見える安倍政権体制だが、よく見ると幾つか不安な点もある。それは特に小泉前首相の体制と比較して予感することである。

b0087409_17565361.jpg小泉政権時代には、小泉前首相をゴッドファーザーとして、三人の人間が政権の役割を分担して仕切っていた。安保外交が安倍晋三、経済財政が竹中平蔵、裏番頭の飯島勲、この三人である。安倍晋三のバックには小泉純一郎だけでなく党(派閥)がつき、さらに右翼がついていた。竹中平蔵のバックには米国がついていたが、党(派閥)はついていなかった。小泉純一郎の頭の中には政策は全く入っていなかった。演技と人気取り。そこをサポートしていたのが飯島勲だった。シンボルとしての小泉純一郎、裏番頭で勝手を仕切る飯島勲、安保外交とマスコミ管理の安倍晋三、経済財政と米国カウンターパートの竹中平蔵。強いて言えば、権力の外の周辺に参院の青木幹雄がいた。幹事長の武部勤は全くの飾りで(無能者ではなかったが)単なる責任取りの人形だった。そういう小泉体制の権力構造から見たとき、安倍体制は若干不安定に見える。飯島勲的な裏方がいない。塩崎恭久と下村博文には裏方は困難だろうし、世耕弘成も少し違う。

b0087409_17535763.jpgそれと三宅久之も言っていたが、竹中平蔵の代わりを大田弘子がやるのは少し無理がある。経済財政諮問会議の地位が下がるだろうと言っていたが、大田弘子が一人で経済財政政策全般を仕切れるとは思えない。いろいろな人間の利害や省庁の思惑が交錯し、米国政府と米国資本の無理筋の要求(イニシァティブとデュー)が入り、竹中平蔵はそれを強権的に立法化し予算化していたが、あれと同じ真似を大田弘子ができるのだろうか。今日の新聞記事を見ると、早速、森善朗が人事の裏話を新聞記者にリークしていて、本当は安倍晋三は麻生太郎を幹事長にしたかったのだが、森派の意向が貫徹されて麻生幹事長が阻止された経緯が報じられている。これは安倍晋三にとっては流されたくない情報で、つまりは安倍晋三(官邸)と森善朗(派閥)の微妙な力関係を示唆する逸話である。どうやら安倍首相は小泉純一郎ほど万能の権力者ではない。それと、例えば外交をめぐって塩崎恭久と麻生太郎との関係はどうだろうか。仲良く一緒にやれるだろうか。

個性の強い麻生太郎は幹事長になりそこねてむくれている。ゴッドファーザーがいたときは協調できただろうが、その存在がなくなったとき、果たして安倍晋三と麻生太郎は親密に外交を共同できるだろうか。麻生太郎の外相も来年7月までである。政策はこれまでの構造改革路線を基調にして、社会保障と地方交付金を切り捨て、国民負担を増やす新自由主義政策の遂行に拍車がかかる。これ以上の困窮に耐えられず、政策の転換を求める声は森善朗や青木幹雄のところにも来るだろうし、公明党も言うだろうし、形だけでも政策転換するポーズを見せるとか、負担増を緩和する態度を国民に示さないと参院選で敗北するという危機感を持つ自民党の議員は少なくないだろう。だから、安倍晋三が党の政策調整や政策介入を押し切れるカリスマを得るためには、小泉純一郎と同じほどの圧倒的な国民的支持(ボナパルティズム的な)が必要なのである。

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by thessalonike4 | 2006-09-27 23:30 | 安倍政権
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