
昨日(10/19)マスコミで一斉に報じられた守屋前防衛次官の接待ゴルフの問題は、これから大きな疑獄事件へと発展することが予想される。一昨年の耐震強度偽装事件とか、昨年のライブドア事件と同じような大きな膨らみを持った社会的政治的事件として世間の注目を集め続けることだろう。おそらく守屋武昌は収賄で逮捕される。山田洋行の元専務の宮崎元伸も贈賄で逮捕されるだろう。宮崎元伸の名前はマスコミにはまだ出ていないが、ブログでは先行して公表する。東京地検が最初にリークした形から今後の事件の展開を予想すると、まず宮崎元伸が週明けに特別背任で逮捕される。特別背任の中身は、
産経新聞が詳しく報じているが、昨年6月に山田洋行を退職して日本ミライズ社を設立した宮崎元伸が、在職中に不正な会計支出をして会社に損害を与えたというものである。

それまで山田洋行の実質的な経営者であった宮崎元伸が、新しく日本ミライズ社を設立して、航空自衛隊次期輸送機(CX)の新型エンジンを米国GE社から防衛省に納入する事業を山田洋行から奪い取ろうとした経済事件に端を発している。不正な会計支出というのは、宮崎元伸による守屋武昌や他の防衛関係政界要人に対する贈賄行為に他ならない。現時点で表面に出ているゴルフ接待と飲食は氷山の一角であり、さらに具体的な賄賂の中身と職権内容とが地検特捜部によってリークされるだろう。週末のNHKのニュースから次のリークが出始めて、それが宮崎元伸の週明け逮捕の序曲をなす。今日(10/20)の
朝日新聞一面には寿司屋から出てくる守屋武昌と宮崎元伸の二人の写真が載っていて、しかも写真の解説には「口利きの後、すし店を出て連れ添って歩いていた」と書かれている。

写真には「朝日新聞が入手した」とあるが、どこから入手したかは書いていない。当然のことだが、入手先は特捜部以外にあり得ない。地検は「口利き」の具体的日時とその証拠写真まで押さえている。朝日の記事の「口利き」の中身はCXエンジン調達とは別件で、言わば朝日新聞報道用に準備した初動リーク用の小ネタだ。地検はNHKと朝日と別ネタでリーク報道をさせている。宮崎元伸の逮捕の後、守屋武昌が国会で証人喚問される。特捜部の捜査は守屋武昌の国会喚問を折り込んでいる。自民党は証人喚問に反対しているが、公明党は喚問拒絶は困難と見ていて、ダメージの少ない報道演出を工夫して参院予算委で喚問が実現するだろう。無論、国会喚問されても守屋武昌は何も言わない。「検察当局が捜査中の事件なので何も言えない」でシラを切って押し通す。2年前のヒューザーの小嶋進と同じパターン。

裏を言えば、そのために(逃げ道を作るために)地検は先に宮崎元伸を逮捕する。それが来週の週末から再来週の週初の動き。その頃には、しかし、やはり地検のリークで何人かの政治家の名前がマスコミに上がる展開になる。すでに一部の報道では久間章生の名前が出ている。名前を出しているのは、月刊総合誌の「
FACTA」で、記事を読んだかぎりでは、GE社の開発した次期輸送機CXのエンジンの調達するに当って、その利権に久間章生が絡んでいた疑惑の印象を受ける。CXのエンジン調達は総額1千億円の巨額防衛事業で、政治家が絡んでいても何の不思議もない。来週は政治家を含んだ疑獄の輪郭がより明確に浮かび上がり、事件に対して正式なネーミングが与えられるだろう。守屋武昌が逮捕されれば、捜査の次の焦点は政界の大物へという状況になる。そして疑惑軍需商社の山田洋行にはさらに深い闇がある。

その闇の中に大勢の自民党防衛族のビッグネームが並んでいる。久間章生だけではない。石破茂、玉澤徳一郎、瓦力元、額賀福志郎。果たして、今度の事件は何という名称になるのだろうか。山田洋行事件か、CXエンジン事件か、今のところはわからない。事件の推移を見守りたいが、もう一つ、この事件の背後には、当然と言うべきか、国の財政(予算編成)上の動機と目的が見える。東京地検特捜部と財務省の連携と言うか、予算の季節が佳境を迎える頃に、捜査当局が「今年の標的」に向かって動く「年中行事」のプロジェクトの側面がある。この2年間ほどは公共事業を削減するために官製談合が槍玉に上がって、談合に関わったゼネコン幹部や天下り役人が摘発されていた。道路や橋梁などの建設工事では随意契約から競争入札への転換の徹底が図られ、その影響を受けて地方の土建業者が悲鳴を上げている事情がNHKで放送されていた。

すなわち、今回標的にされているのは、従来聖域とされてきた防衛関連予算であり、そこに財政当局のメスが入るということだろう。小泉政権から安倍政権にかけて、右傾化した世論や中国脅威論や北朝鮮核問題などを後ろ盾に、防衛予算に財務省の厳しい査定が入るということはなかった。テロ対策や海外派兵や米軍基地再編やミサイル防衛などを口実に、防衛省には湯水のように国民の税金が流し込まれ、巨額の装備費が軍需商社を通じて米国の兵器産業を潤している。そのバブルと化した防衛予算とそこに集る利権屋たちに対する牽制の意味があるだろう。この動きは、与謝野馨たちがやっている消費税増税の策動とも関わる。すなわち消費税値上げを正当化する贅肉削ぎのパフォーマンス。つまりそれだけ、霞ヶ関や永田町から見ても守屋武昌の酒池肉林と汚職三昧が異常で顕著だったということであり、放置できない限界に達していたということだろう。

そう言えば、小池百合子が防衛大臣に就任したときの大臣示達の一つが、省内のコピー紙を環境省や民間企業と同じく裏表両面使うようにせよという節約指令だった。今、この時点から考えれば象徴的である。6年ほど前だったか、例の鈴木宗男の事件があったとき、あのときに槍玉に上がったのは外務官僚の特権貴族ぶりであり、メスが入れられたのはODA予算だった。テロ特措法のインド洋給油も、単に給油先や使用目的の問題以外に、利権に纏わる不正の疑惑が必ず浮上する。日本と米国を跨いだ政商たちの黒い蠢きが表に出る。守屋武昌の国会喚問があり、さらに逮捕があり、大物政治家の名前がマスコミを騒がせる事態になったとき、給油新法は果たして成立を見ることができるのか。おそらく自民党は、政治家の喚問阻止と引き換えに給油新法の今国会成立を断念する取引に出るだろう。無論、特捜部が先に動いて、国会喚問なしにそのまま政治家の逮捕劇もあり得る。
その場合は、国民世論が沸騰して、待ったなしで12月解散総選挙になだれ込む公算が大きい。