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小沢一郎のビヘイビア・モデル - 左右信者のカルトと倒錯
b0087409_1540256.jpg酷暑の選挙戦のさなか、投票日まで一週間を切った頃、街頭で長妻昭が演説するのを聴く機会があった。小柄で細身、顔が小さく、テレビで見るのと全く同じジェントルマンの風貌。テレビと同じということは、菅直人や小泉純一郎のように街頭演説を派手に盛り上げる演出弁論はなくて、年金問題をコツコツと丁寧に正確に聴衆に訴える地味な演説だった。生真面目で誠実な性格の印象が際立った。「私も議員になる前はサラリーマンをしてまして、毎日、満員電車で通勤していました」と言っていた。今やっと調べてみたら、何と 「日本電気株式会社入社、汎用コンピューターの営業」とある。意外。不覚。立派。 これは全然知らなかった。田町へ通っていたのか。ACOSの営業..!!。そして「日経BPに途中入社」とある。本当に普通のサラリーマンだ。素晴らしい。その後、どういう経緯があって国会議員になったのだろう。



b0087409_15404531.jpg選挙カーの上で演説する長妻昭と聴衆を見ながら思ったことは、長妻昭のおかげで貴重な財産を国に奪われずに済んだ国民が日本中に何百万人もいて、彼らはそのことをよく分かっていて、心の底から長妻昭に感謝しているということだった。小沢一郎と長妻昭は比較すると本当に対照的な人格だ。私が子供の頃も二世議員はいた。若い頃も二世議員は多くいた。だが、私は、そういう政治状況はいずれ変化して、世襲議員というのは相対的に減って行くものだと素朴に思っていた。それが日本の社会の近代化であり、人類史の普遍的な方向性だと確信していた。世間では小沢一郎の政治家としての器量や能力への信奉や崇拝が依然として強い。だが、私から見て、小沢一郎と安倍晋三はほとんど同一の人格構造の人間のように見える。そう見えるのだけれど、そのように認識している人間は私以外にはいないのだろうか。

b0087409_1541535.jpg私にはそのことが不思議でならない。小沢一郎の大連立協議の裏切りと代表辞任劇の醜態は、安倍晋三が参院選敗北に対して責任を取らずに開き直り、挙句に国会の代表質問前に身勝手に政権を放り出した行動と全く瓜二つだ。安倍晋三が「私を選ぶか小沢代表を選ぶか」と有権者に二者択一を迫りながら、選挙で大敗した途端、都合よくそれを忘れて首相の座に居直ったのには驚いたが、小沢一郎の今度の大連立協議は、国民に対する裏切りと公約違反という面では安倍晋三の比較にならない。あのときも、自民党支持者の少なくない部分が安倍晋三を擁護し、安倍晋三の指導力でなければ改革路線は貫徹できないとか、憲法改正は実現できないなどと言って騒いでいた。安倍晋三が政権放り出し辞任をしても、「お気の毒に」とか、「裏で陰謀があった」とか、「クーデターの犠牲だ」とか言って、安倍晋三を庇う者たちが大勢いた。

b0087409_15412134.jpgカルトは右にも左にもいる。二人とも単に驕慢で倨傲で幼稚で未熟なだけではないか。インテリジェンスとヒューマンスキルが低レベルで、周囲の状況を理解し社会に適応する能力がないだけではないか。実力も技能もないのに威張りたくて、知性も教養もないのに褒めそやかされたくて、理念も志操もないのに権力を振り回したいだけではないか。そんな人間は無数にいて、そしてそういう人間に振り回されて迷惑を蒙っている人間はその何十倍もいる。小沢一郎も安倍晋三も権力者の子供として怖いものなしで甘やかされて育っている。特に小沢一郎の場合は環境が東北の農村地方で、封建制身分社会の意識や観念が濃厚に残っている土地で殿様の子供として育っている。最近のテレビ番組で、小沢一郎の世界観というのは、自分と従僕と敵の三者の人間関係しかないと言われていた。この点は、前に田中真紀子についても指摘されていた。

b0087409_15413735.jpg小沢一郎はコンプレックスが強い人間だ。本当は中身がないのに、無理に背伸びして中身があるように見せかける。権力を使って自己を過大に演出してきた。「策士」、「政策通」、「選挙に強い」、「改革のリーダー」。それらの評価と称号は、小沢一郎が欲しくてたまらないもので、マスコミや政界関係者がそうした礼賛を言うよう、小沢一郎は必死で演出と誘導を繰り返してきた。カネで買収し、権力で脅し、怖い顔で恫喝して。そういう政治的能力は、例えば中曽根康弘が本来的に持っているもので、小沢一郎は持っていないものだ。自分を「政策通」だと信じ込んでいる小沢一郎は、例えば集団的自衛権の議論などでも、自分以上にこの政策を理解している人間はいないと頭から決め込んでいるところがあり、討論で持論の矛盾や破綻が明白になってもそれを認めようとしない。相手を睨みつけて恫喝すれば済むと思っている。今度の連立協議でもその悪癖が出た。

b0087409_15415657.jpg小沢一郎は連立協議を民主党役員会に持ち帰ったが、幹部が同意すると思っていたのだと言う。全く信じられない話だが、専制君主の脳内回路ではそれが自己完結的に予定調和する。国民も納得すると考えたに違いない。殿様にとっては国民は封建時代の野良百姓なのだ。殿様が馬の上から「政権交代で生活政策」と言えば、野良の百姓は「政権交代」を信じてありがたく一票を入れ、殿様が「連立政権で政策実現」と言えば、無知な百姓たちは納得して「連立政権」を支持するのだ。百姓はバカだから、巧妙に言葉の使い分けをやれば簡単に騙される。素直に殿様のご指示に従う。小沢一郎は本気でそう思っている。代表辞任の会見で、堂々とその詭弁を言って百姓どもを騙そうとした。政党は政策を実現しなきゃ存在意味がないのだから、連立協議は当然の政治行動だと合理化してみせた。百姓よりちょっと知恵のある新聞記者には恫喝で逃げた。

こんな政治家にどうして頼らなきゃいけないのだろう。こんな政治家に土下座して、おだて続けないと日本の政治は変わらないのか。権力ゲームで遊び続けているバカ殿に一票入れるのが民主主義か。衆院選で民主党に投票して、第一党になった途端に自民党と連立したらどうする。(鳩山Gと前原Gと旧民社Gを抱き込んで)憲法改正の大連立を組んだらどうする。小沢一郎カルト教の主張は私には理解できない。「小沢さんじゃなきゃ絶対に政権交代できない」。それってさ、「安倍さんじゃなきゃ絶対に憲法改正できない」って言い張っているカルト右翼と同じじゃないか。小沢一郎にとっては庶民の生活苦だとかは単なる自分の権力ゲームの手段なのだ。生活政策は票のための道具なのだ。森田実、天木直人と続いたので、今日は五十嵐仁の昨日の「転成人語」を紹介しよう。


【五十嵐仁の転成人語 2007年11月05日】

今頃になって辞意撤回なんて、それなら、あの記者会見はなんだったのでしょうか。民主党には政権担当能力がないとか、選挙には勝てないとか、言っていたではありませんか。あんなことを言ったうえで、「やっぱり、辞めるのを止めます」なんて、釈然としないのは私だけではないでしょう。そうなると、小沢さんには、きちんと説明していただかなければなりません。どうして、あんなことを言ったのか、党首会談についての説明は事実なのか、福田さんとの食い違いが何故生じているのか。二人だけで何が話し合われたのか、「密約」はなかったのか。
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【追 憶】

長妻昭は、「当時、メモリー16メガ、ディスク800メガほどのコンピューターが数千万円しており、隔世の感あり」 と書いている。これはACOS4のマシンのスペックだっただろうか (後発機ながら当時はそこそこ売れていた)。 PCは、メモリー128KB、FDD 5インチ640KBx2基で、価格は39万8千円だったと思う (PC-9801F2)。 HDD(外付け)は高価で、5MBで44万8千円ほどしたのではないか (PC-98H81)。 いずれも、調べずに、うろ覚えで適当に書いているのだが。PCは安かったと言うか、メインフレームは高かったね。しかし、当時はこの「数千万円」の中にソフトもサポートも全部入っていたから。  

長妻昭と会って話したいな。

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by thessalonike4 | 2007-11-07 23:30 | 大連立協議と小沢辞任
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